愛犬に優しい動物福祉先進国の環境づくり“ディーズ”では、愛犬に関する飼い主様にお役に立てる情報を今後発信させて頂きます。
記念すべき第一弾は、愛犬に対する飼い主様の声の影響についてです。
普段、私達の生活の中では、人間同士の様々なコミュニケーションが行われております。そこには、言葉、行動、声が人間にとってはメインではないでしょうか。しかし、犬同士のコミュニケーションにとっては言葉ではなく、表情、行動、声、そして臭いがメインになります。今回は、犬と人の共通のコミュニケーションである声について考えてみたいと思います。George M. Strain氏の研究結果によりますと、聴覚のおよその周波数領域としましては、人間では64Hz~23,000Hz、犬では67Hz~45,000Hz、参考に猫では45Hz~64,000Hzとなります。高周波領域では、犬は人間の約2倍です。猫は犬よりも周波数領域は広い結果となっております。
この結果から言える事は、愛犬と生活をしている私達に人間にとって、低周波領域では犬と人間はおよそ同じであり、低周波の声によりどのような影響を与えているかが気になるところです。
今度は、犬同士のコミュニケーションの仕方について考えてみたいと思います。犬の発声行動は人による家畜化の過程でかなりの変化を遂げてきました。犬が人の生活に合わせて社会化するために、適応してきたと考えられております。犬は人との相互作用により、音声でのコミュニケーションを習得してきました。『animals』に掲載されたMarcello Siniscalchi氏らの研究チームの論文によると、犬は犬種同士の違いはありますが、160Hz~2630Hzの周波数領域があいさつ、警告、注意に使われております。犬にとって、低周波領域の発生は警告や威嚇、脅迫の信号として使われております。人間も唸り声も出せますが、それにより犬は人の体の大きさも区別します。また犬も人も他の脊髄動物も同じように音を左脳で分析しますが、犬では激しい感情を引き起こすと右脳に偏りが現れる結果となりました。右脳は感情にも影響を与えているという仮説です。犬は人の言葉を理解し、200語までの意味を学び、結びつけることができます。人間は一般的には低周波の声を攻撃的と反応しますが、高周波の声は幸せや絶望的と反応します。
犬と人間とのコミュニケーションには差があるもの、声については低周波領域が共通しており、感情による攻撃的な反応も共通していると言えます。もし人間同士が低周波の声で喧嘩をしていたら、その場にいる犬はどのような影響を受けるでしょうか。信頼している飼い主様の攻撃的な声を聴いて、恐怖やストレスの反応をすることは想像できると思います。
普段の生活の中で、犬に対する影響を考えながら人間同士のコミュニケーションを行う事も大切なのではないでしょうか。
次回の投稿では、犬と人間の生活の関わる他コミュニケーションについて考え、調べていきたいと思います。
最後までお読みになって頂き、ありがとうございました。
愛犬と飼い主様のより良い環境づくりのため、お役に立てる情報となりましたら幸いです。
【参考文献】
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